漫画の道具 第3弾 下條よしあき先生(1) アナログ編

皆さん、「漫画の道具」取材担当のシュウ1です。

第2弾の「高見まこ先生」編に続いて、

第3弾は、『マイコン刑事』、『雨の朝サブは』などの作品を描かれた下條よしあき先生のお仕事場に訪ねて参りました!

下條先生はアナログ道具だけでなく、デジタル道具にもべテランですので、今回特別にアナログ編と、デジタル編二つに分けて紹介させていただきます。

さあ、今週は下條先生の「アナログ道具」を皆さんにご紹介したいと思います!

ペン

まずは肝心なペンですね。これは下條先生が使われてたペン先の種類なんですが、丸ペン、Gペンなど、タチカワ、ゼブラ、ニッコーこの3メーカーがあります。

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「この中で、タチカワのペン先は全体的に硬いので、人物を描くには適さないけれども、 風景画を描くには一番適してると思います。

ここに掲載した絵のような緻密な線だけで絵を描こうと思ったら、私はタチカワの丸ペンを使います。丸ペンがない場合は、スクルーペンで代用しても構わないと思います。

また、「ペン先はどれぐらい頻度で替えたらいいのですか?」という質問について、先生は「何を 描くのかにより違いますけど、緻密なペン画の場合一コマでペン先を3本以上使ってしまいます。 でも最近はスクリーントーンで背景を描くので、ペン先をそんなに消費しなくなりました。人物だけ だったら、1本で5枚から10枚ぐらい描けます。

二十歳 ぐらいの時にスクリーントーンをあまり使わずに斜線だけで背景を描くことが多かったので、ペン先 を沢山使いましたね。丸ペン使いの職人みたいでした(笑)

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(下條先生が20歳頃に描かれたペン画)

「実は、ペン先は包丁のように研いだり削ったりできますよ。そうしたらある程度回復し、 寿命が延びます。今はペン先を削る人なんていないと思うけど、昔はみんなそうやってました。描けば描くほど、先が削れてきます。ペン先がだんだん斜めになったり太くなるので、それを整えます。

漫画家デビューの頃はめちゃくちゃ貧乏だったし、砥石でペン先を削って使いましたよ、すごく使い心地が悪いですけどペン先を買う余裕が無かったので仕方なかったです。

初めてペン先を1グロス買ってきた時、すごく贅沢な気分になって最高に幸せでした。

時間的に余裕があれば、Gペンや、かぶらペンなどいろいろ試して、描きたい絵のイメージに近い線を探します。但し連載が続いて多忙になると、あまり細かく気をつかうのが大変なので、Gペン一本で全てを描きます。使いづらくなったらすぐ交換するほどの贅沢をしました。(笑)」と下條 先生。

インク
「証券用インクや製図用のインクはあまり使わないです。10代の頃若干使ったんですけど、40数年間、 この「開明」墨汁にこだわってます。『さーっ』と細く長い線を引ける所にこだわりがあって、 『開明』墨汁を今だに使ってます。」と下條先生。

スクリーントーン

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トーンについて、先生あまりこだわらないそうです。また、今のトーンは当たり前のよう に削れますけど、十代で宮谷一彦先生のところでアシスタントをやっていた頃はトーンは削れなくて、ホワイトでアミの粒を一個一個 消しながらグラデーションを作った経験もあるそうです。
気の遠くなるような作業ですね。

彩色道具

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「水彩での着色は小学生が使ってるものと同じ水彩絵具を使っています。使ってる筆は、やはり学童用の1本300円前後のやつが一番使いやすいです。特に高級なやつを使わなくてもいいと思 います。でもパレットは沢山あった方がいいと思います、それは色の濁りを出さないためです。」と下條先生。

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小学生とほぼ変わらない絵具を使ってこんな綺麗なカラー漫画を描かれるのはさすが下條先生ですね。

 

ホワイト

修正用ホワイト

(下條先生こだわりのニッカーのポスターカラーのホワイト)

ホワイトは、漫画のある意味生命線ですよ。このホワイトをきちんと使えないと、立体感や活き活き感が出せないんですよ。細くて綺麗な線を描く為に僕ははニッカーのホワイトは欠 かせないです。濃度が濃くてはっきりと白が出ます。原稿の最後の段階で絵にホワイトを入れると、絵がキュッと締まるんです。質感もグッと出ます。」

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水筆でホワイトを薄くして使います。

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(スピード感、素材の質感、光沢など、先生の絵の様々なところでホワイトが大きな役割をはたしています)

「 画家の佐伯祐三の影響もあるんだと思いますが、漫画でもホワイトを上手に使えると、絵の魅力が増すと思います。ペン先やスクリーン トーンなどあらゆる道具の中で、私の一番のこだわりはホワイトです!」と下條先生が おっしゃっていました。

ありがとうございます!

次回は下條先生のデジタル漫画道具編です!皆さん、また宜しくお願いします!

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