その両目から涙が溢れる出てくるの必死にこらえ、
ただ立ち尽くすその小さいカラダを母親がしっかり抱きしめる。
その時、爺様は『男が人前で涙なんぞ見せるなッ』と竜郎の頬をいきなり叩いたのだった。
突然の出来事に驚く面々。しかし、爺様の隣の部屋に行く後ろ姿もまた悲しみを語っていたのだった―――。
それから月日は流れ、
すっかり成犬になったリュウの力強さは、父の死、戦争の辛さを乗り越えるさせてくれるほどの勇気を竜郎に与えてくれた。
しかし、戦争の影は、そんな生活ですら壊そうと竜郎達の家に忍びよっていたのだった…。
本庄敬・「ニッポン動物記」最後のオオカミ8公開中です!!