漫薦 第1弾 本庄敬先生のオススメ作品

皆さん、今回から始まる新企画:漫薦です。

「漫薦」とは、プロ漫画家の視点から、面白くて薦めたいと思われる作品を紹介するため、ぽけまんの漫画家をインタビューする企画でございます。

最近「何の漫画を読めばいいかな?ネット上のオススメ以外に面白い作品はあるかい?」「プロ漫画家にも面白いと言われる作品を知りたい!」と思われる方であれば、この企画をお見逃しなく!

ぽけまんの先生に関する記事を毎週書かせて頂いているシュウ1と申します。

私はベテラン漫画家たちがどんな漫画から影響を受けてきたのか、皆さんと同じようにすごく興味があります。 一漫画ファンとして先生たちのオススメ作品をうかがってきました!

第1弾として、『蒼太の包丁』『隠密包丁〜本日も憂いなし〜』などを描かれた本庄敬先生のオススメをうかがってきましたよ!

 

シュウ1:本日はお忙しいところ、インタビューをさせていただきましてありがとうございます。
では、今日のテーマですが、先生はどんな漫画作品を皆さんに薦めたいでしょうか?

本庄先生:村野守美先生の『オサムとタエ』シリーズです。

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注:『オサムとタエ』シリーズとは、

『草笛のころ』『オサムとタエ』『早春の詩』『草笛の里』『花梨の実』『草笛の季節』
(1977年〜1982年:日本文芸社 GORAKU COMICS)
小学生5年生のオサムと中学1年生のタエの田舎生活を描いた作品です。

 

シュウ1:80年代の作品なんですね!先生はいつ頃この作品に出会いましたか?

本庄先生:18歳の時です。俺が初めて漫画を読んで「匂い」を感じたのはこの村野先生の作品です。

シュウ1:「匂い」ですか!それがこの作品を薦めたい理由でしょうか。

本庄先生:そうですね。俺はずっと匂いがある漫画を描きたいと思ってきました。この『オサムとタエ』シリーズで見て欲しいのはまずは、絵柄ですね。その村野先生の絵が空気感を作っています。その匂いというか、五感にグッと感じるところがあってとても好きです。見てもいいし、読んでもいいし、そこから伝わってくる空気感がとても気持ちを和ませてくれるんです!というか、ほっとしてくるんです!!

「あっ、こういう表現の仕方もあるか。」って、当時初めて見た時にそう思ったんです。白黒の漫画ですが、色が見えてくる感じがして、それ以来ずっとファンです。(笑)

シュウ1:なるほど、そうなんですか。空気感と匂いがある作品ですね。では、具体的な例として、好きなシーン等があれば教えていただけますでしょうか。

本庄先生:えーとですね、例えば、ここです。

Pasted Graphic

※(出典:『オサムとタエ』シリーズ)

この二つのコマは、実際に形が見えるものを描くことで、目に見えない風の流れを描いています。風の流れがとても伝わってくるんです。こういう絵に空気感がありますね。

Pasted Graphic 1

※(出典:『オサムとタエ』シリーズ)

白黒のバランスや自由な表現方法を見ているだけでも、この漫画のすごさが分かると思います。

シュウ1:先生、気づいたんですが、単行本にいっぱい付箋がついてますね。

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本庄先生:アシスタントに見せて、自分が作りたい感じを習わせるんです。

シュウ1:そうなんですか。例えば、このページで見せたいのはどちらの部分ですか。

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※(出典:『草笛の季節』)

本庄先生:下のコマにある木です。この木の描き方がすごいので、アシスタントに見習わせたいなと思うって…

シュウ1:なるほど、いい漫画は人材を育てる教材ですね!

本庄先生:おっ!そうだ。俺、村野先生のイラストを持っているんですよ。

シュウ1:本当ですか。

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シュウ1:とても綺麗な色ですね!サインも格好いいです!!

本庄先生:ですよね!

シュウ1:オススメありがとうございました!

この漫画に興味がある方は、ぜひ読んでみてくだざい!!!

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